スリランカ旅行③Day2 Yala Natinoal Park
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2日目である。
スリランカの南の果て、ティッサに着くや否やぼったくり料金で怪しいスリランカ人にサファリの参加料金を支払ってしまい、さらにはそのサファリのブッキングさえも怪しいという状況。
とは言ってもブッキングが嘘でないという可能性もゼロではない。
ここは性善説に立ちあのぼったくりスリランカ人を信じてみようではないか。
2日目は4:30に起床。目覚めの紅茶とパンを口にし、身支度を済ませ約束通り5時には宿の門の前でジープが来るのを待ち構えることにした。
スリランカの南の端っことは言えど、夜明け前はなかなか肌寒いので薄手のパーカーを羽織る。道路はサファリ前にゲストをピックアップするジープの往来が激しい。自分のもとに果たして本当に来るのだろうかという疑いを持ちつつも、5分ほど待ったころ、こちらにやって来るジープが1台。
えっマジで来た。
「ヘイ!お前ジャパニーズか?よろしくな!後ろから乗ってくれ!」
ドライバーに声をかけられ、言われるがままジープに乗り込む。
どうやら前日のぼったくりブッキングは紛れもなく本当のものだったらしい。
しかし一点不審なことには昨日声を掛けてきた男とドライバーは別人だ。おそらくあの男たちの仲間なのだろうとは思うが…
今回このジープでサファリに参加するゲストはカナディアンカップル♂♀とスパニッシュカップル♂♀、そして私♂の5名。みんな眠そうである。
サファリはティッサから40分ほど車を走らせたヤーラ国立公園で参加することができる。ヤーラはスリランカの2番目に大きな国立公園であり、アジア地域におけるサファリ観光ではかなり有名なエリアらしい。
夜明け前を疾走するジープ。
当然、窓もないので涼しい風が直撃する。パーカーを着ておいて本当に良かった。
南部ではそれほど珍しくもないがたまに牛が道路を横切る。牛フンもいっぱい落ちている。
6時前にはヤーラ国立公園のエントランスに到着したが、数十台ものジープが列をなして6時の開門を待ち構えている。おそらく公園内に動物の集まるポイントはある程度決まっていて、開門とともにそのポイントの奪い合いになるのだろう。
ヤーラはレオパルド、すなわちヒョウが生息していることでも有名で、こいつが見られたらラッキーねと宿のおばちゃんは言っていた。100%見られるようなものではないらしい。
翌日には2019年の亥年を控えたこの2018年12月31日、フライングでイノシシ。
この日に目撃した犬と牛以外の最初の哺乳類。
開門。ゲートを通り、それぞれのジープは一目散にドライバーお気に入りのポイントを目指す。ゲートにはすでに1羽のクジャクが待ち構えていた。胸が高鳴る。
最初こそはテンション上がるが、後で何回も(ティッサにもいた)クジャクには出くわすことになるので皆さんがだんだんクジャクに興味失っていくのが露骨で笑った。
まず最初に出会ったのが人工的?な池で水浴びをする水牛の群れ。そこそこの規模であるが、当然野生のためものすごい数のハエがたかっていて、これまで嗅いだことのない強烈なケモノ臭に襲われる。鳥さんon牛さんが愛くるしい。
緑色のカワセミの一種。湿地帯が多い国立公園内にでは何度も見かけた。飛び方や挙動も日本のカワセミそっくりだ。
岩山も多く、独特の景観だ。ここの岩山には太古の時代、寺院などが建てられていたという。
自然の豊かな場所と信心はつくづく相性がいい。日本における修験道もその代表例といってもよく、世界各地でみられる典型的な宗教傾向なのだろう。
こういう湿地帯は、日本ではなかなかお目にかかれない(いささか人の手が加えられてはいるけれど)。地味に左のほうでクジャクが羽を大きく広げているのが見えるだろうか。
ガサガサと出てきたウシ。
ヤーラ、というよりもスリランカ南東部はとにかく野鳥が多い。水鳥を中心にすべてを写真には納めきれないくらい数多の種類が生息しており、周辺の豊かな環境をうかがい知ることができる。
サバンナ気候。
いのししs。大家族である。
一族ともども何かを掘って食べている。
2時間ほどジープを走らせて公園を巡ったが、他のジープと遭遇する回数がここから増えていった。おおかた、朝方の主要なポイントは回り切ったので、残されたポイントにジープが集中してきたのだろう。
ドライバーたちもほかのジープが横切るたびに顔を見合わせて頻繁に会話しており、おそらくどこどこのポイントがいいとかそんな内容なのだろうと推察する。もちろん現地語なので確かめようもないのだけれど。
マングース。野生は初めて見た。
この辺まで来ると、クジャクを見ても誰も声を発しなくなる。
本日最大の目玉、ゾウさん登場である。
4頭ほどの群れで行動しており、枝の先に生えた柔らかい歯をむしゃむしゃ食べていた。ちなみにこの写真には写っていないがおびただしい数のジープがゾウさんの前で停まっており、ゾウさんはそれほど気に留めてないことからある程度人慣れしていると思われる。
ちなみに近年では象牙目当ての乱獲によって象牙のあるゾウさんの個体数そのものが減っているらしく、もとから象牙持ちの個体が少ないアジアゾウのみならずアフリカゾウも象牙持ち個体は減少傾向にあるらしい。ある意味遺伝的淘汰というべきか進化というべきか、いずれにしても人類の業の深き事よ。
ゾウさんがいると分かれば、どこからともなくたくさんのジープが集まってくる。
ドライバーの情報網に感心する。
GPSで確認してみるとこの辺は海も近く塩水湿地帯と思われる。植物の数も少ないが、独特の景観をもたらしている。12月~1月は雨も少ないらしいので、雨の多い時期に訪れると全く違う印象を覚えることになると思う。
ゾウはスペイン語でElefanteと言うらしい。スパニッシュカップルが目撃するたびにエレファンテェ~と叫ぶので耳につき、覚えてしまった。
水辺にたたずむゾウさん。
群れは作っていなかったので、♂なのかもしれない。
キノボリトカゲの一種?南国感ある。
ビーチで遅めの休憩。持参したパンや果物を食べてランチブレイク。
スリランカはこの丸っこいバナナが味が濃くおいしいのだ。
こんなジープに乗ってました。
腹を満たすとだんだんと眠気に体が支配されていった。
思えばド早朝から行動しているので眠いのも当然だ。ジープのゴトゴト具合もよいリズムをもたらし、心地よい日差しの中、車内は皆眠りにふけた。
気づいたらヤーラ国立公園の門も通過して、いつの間にやらティッサヘの帰途に戻っていた。
県局最後までレオパルドが現れる奇跡は起きなかった。
レオパルドが見れなかったのは少し残念だったが、日本ではまず見ることのできない雄大な自然の一端を感じることのできた、良い体験だった。