欧州旅行⑧ The Plitvice Lakes National Park, Croatia
karinto-monster.hatenablog.com
前回は上からどうぞ。
wikipediaで見てみたら小さな国なのに8つもあるそうです。
アドリア海沿岸にはドゥブロヴニクやスプリットをはじめとしたアドリア海沿岸の旧市街群が点在していて、文化遺産に登録されているものも数多くあります。
そんなクロアチア唯一の自然遺産、プリトヴィツェ湖群国立公園。
かつて高校時代に写真集か何かを本屋で見かけたことがありました。
そこで見た段々状に連なる小規模な滝と湖沼の数々は、まさに自然の作り出した芸術と言わんばかりの景色でした。非常に心を打たれました。いつかここに絶対に行きたいと思っていました。
今回は、その思いが叶った瞬間の話です。
首都ザグレブからプリトヴィツェまでは、バスを使って2時間ちょっと。
夜が明けぬうちから市内の南にあるバスターミナルを発ちます。
乗客は自分を含めて5人くらい。まあ平日なので無理もありません。
そしてバルカン半島の丘陵地帯を2時間ほど眺め続け。。。
着きました。プリトヴィツェ湖群国立公園。
冬はシーズンオフのようで、エントランスもなんだか寂しい感じです。
しかしオフシーズンは入場料もピーク時の約3分の1ほどに落ちるのです。ラッキー。
入園早々出迎えてくれたのは
右手に映るは園内最大の滝です。写真を撮っている位置、結構離れているんですが大量の水が湖に流れ落ちる音が響いてきます。
日本でいえば那智の滝クラスの大瀑布がいきなり出迎えてくれました。
これからどんなものが見れるんだろうと期待を胸に、園内を進みます。
エメラルドグリーンに染まった湖に段々状の滝が流れ込み、さらにその上の湖にはまた別の滝から水が流れ込んでいます。
そして滝の上に木で作られた小径がいくつも。
画質はそんなに良くないですが、動画も一応あげておきます。
シーズンオフゆえかあちらこちらで修理を行っている模様でした。
そして、特徴的なのがこんな険しい場所に根を張る植物群。
よくよく見るとフキノトウにそっくりです。ていうかフキノトウですよね。
ちなみにこのとき外気温はほぼ5℃前後、水温も魚がいるにはいますが相当に低い。
そんな厳しいなかを、雪解け水で勢いを増す流れにも負けず生長する様は天晴だ。
ひとまずは先ほど見えた大滝を目指して歩きます。
大滝は最初にたどり着く大きな湖の下にあるので、自然と湖から零れ落ちる滝の流れを縫うようにして作られた小径を通らねばなりません。
しかし時は2月の中旬。雪解け水のせいで水量はいつもよりも多めなので、写真のように流れに道をふさがれているところも。申し訳程度に敷かれた板も流れの前に無効化されている。
しかしここを通らねば大滝のふもとには行けない。
・・・
先ほども書いたが外気温は約5℃前後。そして流れ続ける雪解け水。
それ行けえ。。。
ひえっ、ちめてえ。
ひんやり外気と雪解け水のコンボは、温暖な気候のもと甘々と暮らす瀬戸内の民を黙らせるには十分。
…よく考えればここを通って大滝を見た後はまた戻ってこなければならない。
が、苦労してたどり着いた景色というのは、見ごたえのあるもんだなと思う。
ありえないほど水飛沫が飛んできます。ディズニーとかユニバとか比にならないくらいに。
どこを撮ってもとにかく絵になります。
ちなみに水質はこれほどクリアです。
せっかくの防水カメラなので撮ってみました。
お魚さんもいっぱいです。水温の割には活発に動いています。
プリトヴィツェはマスが有名らしいですが、ここに映っているのはすべてコイの仲間。日本でいえば、オイカワとかウグイとかに類する種かと思われます。現地語で何と呼ばれるのか聞いたのですが、忘れちゃいました。
修理中の風景です。
丸太を一つ一つ切り取って繋げて、通路としております。
結構園内は広いのですがそのすべてがこうやって人の手で作られていると思うとなかなか大層なことです。
少し高いところから見下ろしてみても本当に信じられない光景です。
日本だったらきっとこういうのも上から見るだけで終わっちゃったりしそうですけど、実際に下に降りてまるで湖の上を歩くようにコースが設計されているのって本当にすごいと思います。
湖に落ちても責任は自分たちにあるということを観光客側がしっかり認識しておかないとこういうことはできないんだろうなあ。柵をつけたりしない点も本当に素晴らしいです。
もう、なんでも綺麗に見えてしまいます。
ここで下湖群エリアから上湖群エリアに移動すべく、桟橋から船を使います。
バルカン半島に広域に展開しているスーパーマーケットKONZUMで買ったパンやサラミ、謎のペーストを使ってゲストハウスで作ったサンドイッチでランチがてら船を待っていると、どこからともなくツアー観光客が現れました。東アジア某国からと思われます。
おかげで乗るころには満員御礼。
上湖群エリアの桟橋に着くと、浅いエリアにも関わらず大量の魚影が。
おそるおそるカメラを水に漬けて写真を撮ってみます。
わらわら。
マスは一匹もいません。ぜんぶコイの仲間的な何かです。
一番手前のやつとかなぜかカメラ目線でちょっとムカつきますね。
ちなみに上から見るとこんな感じです。うじゃうじゃ湧いていますよ。
上湖群も引き続き、おとぎ話のような世界観が広がっています。
まるで妖精でも出てきそうな、そんな神聖な雰囲気を醸し出しています。
冬でこそ木の葉も、草も茂ってないような状況ですが、季節によってここは違う顔を見せてくれそうです。
もちろん、この時期でしか見られないものもあります。
ここらへんは台湾から来たというおじさんと一緒に回ってました。
キクラゲ?でしょうか。野生のものは初めて見ました。
ちなみにクロアチアはトリュフで有名です。
いよいよプリトヴィツェもラストスパートが近づいてきました。
上湖群深部を目指します。ベールのように水が流れ落ちる場所があるとのこと。
水の流れの上を歩きながら移動なんて、本当に素敵すぎです。
この道の先に見えるのが、それなのでしょうか。
これまで見たことがないほど幅の長い滝が続いています。
水めっちゃかぶります。カメラで写真撮るのも一苦労です。
何度も言いますが、こんなに美しい、素晴らしい景色が本当に自然の手によって作られたという事実に驚きを感じえません。
なんてひとりで感心していると、刻一刻と帰りのバスの時間が近づいていることに気づきました。これを逃すと帰りが相当遅くなってしまうので、すこし急ぎ足で台湾のおじさんに別れを告げ、帰りのバス停に向かいました。
歩いて向かうと割とギリギリな時間だったのですが、ちょうど園内周遊バスの姿を見つけたので少しだけ余裕をもって帰りのバスに乗ることができました。
帰りのバス亭には日本人カップルがおりました。
ヨーロッパを回られているようで、旅の話が弾みました。
そんな感じで1週間ちょっとぶりに日本語をしゃべって、再びザグレブへと戻りました。
非日常的な風景を堪能できて、高校生時代からの夢をかなえることのできた、本当にいい一日となりました。
実はこの後もまだ元気があったので、ザグレブ市内にある「失恋博物館」なる面白スポットに行ったのですが、そのことは。。。
まあまた次に書くかもしれないですし、書かないかもしれません。