諸法無我

旅行記や、日々思うことについて

鮒と鯉は美味い

2月のはじめごろ、前々から食べたかった鮒寿司を食べに滋賀まで足を運んでました。

 

ちなみに鮒寿司は伝統的な発行食品:なれずしの一種で人によっては納豆のように受け付けずダメ、絶対状態に陥る人もチラホラいるとか。

個人的にそういう発酵系は嫌いな部類ではないし、今まであかんと思ったのも臭豆腐レベルでもない限りは大丈夫だろうということであまり深く考えず突撃してまいりました。

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2月の滋賀県はとてつもなく寒い、

盆地ということもあってか風が強くその厳しい気候はかつて住んでいた東広島を思い出させます。

 

JR石山駅から風吹きさすぶなかを徒歩で約15分、今回訪れたのは琵琶湖畔にほど近い

"ちか定"というお店でした。

ウナギがメインのようですが鮒やらすっぽんやら各種淡水系も取り揃えています。

今回のメインターゲットの鮒ずしに加え、鯉定食を注文しました。

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まずは鮒寿司から。

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ツブツブしてるのは鮒の卵。

卵も一緒に米と漬け込み、寝かして作ります。

米は乳酸菌発行でドロドロに溶け込んでいるのでコメの残骸らしきものと一緒に食べます。

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なんとなくチーズっぽい香りを感じながら、口へと運ぶ。。。

ほ~ん、なるほど~。

発酵由来のさわやかな酸味を感じさせつつも、噛みしめるに強いうまみを感じる。

口に入れた当初は確かに発酵食品特有のえぐみ?みたいなのも感じられるけど一度口に入れてしまえば問題ナシ。

酒のあてにはもってこいの味でしょう。

発酵過程で生成した酢酸?で骨も気にならずに食べれる。

いわゆる江戸前寿司のシャリが酢を用いることになったのも、なれずしの酸味を再現するためだったという。

今まさに口にしたのは寿司のオリジン、ということなんですね~。

 

続いて鯉定食に。

こちらが鯉こく。

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内臓ごとその身を甘辛-く煮付けた一品。

その名の示す通り、鯉という魚が持つ"コク"を存分に感じられます。

丁寧に料理すればこんなにもおいしい魚だったのか、と驚きです。

ちなみにこいつに山椒を振りかけると鰻にも負けないほど相性抜群で、幸せなことになります。

 

鯉の洗いも初体験。

酢味噌で食べるという室町時代継承スタイル(と勝手に思っている)。

やはり生で食べると顕著に感じられるのが、鯉という魚が持つうまみ・コクの強さ。

下手に臭み取りの薬味を添えたりせず、一般的に泥臭さから生食の敬遠される淡水魚の本来の実力を引き出すスキルは、その下処理に依るところが一番大きいんでしょう。

おそらく、素人が真似ても生で食える鯉をこのレベルで提供できるとは思えない。

恐ろしや鯉の本気。。。

 

そして今回の一番がこちら

シンプルなが鯉のうま味を染み渡らせた白味噌ベースの味噌汁。

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もうこれがね。。。

日本の味噌汁界の中でもトップ争いできちゃうんじゃないか?ってくらいの非常に濃い・鯉~い味なのですよ。言ってしまえば白みそで溶いた鯉のあら汁なんだけど、だいたいあら汁の中の魚の身がスカスカになりやすいものなのに対し、こちらの鯉はまだまだ味が残ってて、骨の髄までしゃぶりつきたくなるレベル。身の質もゼラチン質が強めで身離れ良いのも地味に〇。

そいで鯉の味と白味噌との相性の良さたるよ。若干甘目の仕上がりなので粕汁を飲んでいるかのような上品な口当たりながらも鯉特有の自己主張の強いうま味が喉を刺激しにかかる。ほかの魚にはこのタイプの汁物は作れない。

この日の逸品は、確実にこれでした。

 

 

ちなみに琵琶湖周りは八珍と呼ばれる地域色の強い食材がほかにもあるそう。

暖かくなるころ、これは再び赴かなければいけませんね。

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