キノコ狩ってきた
地元のガイドクラブが毎年開催しているというイベントで、大まかに要旨を言えばキノコをひたすら狩ったのち、プロフェッショナルの目利きフィルターでOKが出たものを持って帰れるというものだ。
私は前々からとりわけキノコに対して興味があったというわけではないが、もともと自然の中で何かを採って食べるというのが好きな性分である。
偶然ネットで案内を見かけた30秒後には空き定員を問い合わせる電話をしていたあたり、やはり自分の中でハンティング寄りなイベントに対しては強い意欲を呼び起こすのだなあ、と改めて自覚した。
ちなみに今回はなんとなしに勤め場の同期にも声をかけ、参加してもらう運びとなった。
突如として「キノコ狩りに行こうぜ!」って言われてもホイホイついてきちゃうあたり、非常に心配だ。
さて、実際に当日キノコを求めてやってきたのは山のふもとの茂みの中だ。
探し方は単純。山の斜面をはいずり回り、ジメジメしたキノコの生えそうなところをひたすら探し回る、それだけだ。
それを繰り返していけばだんだん目も慣れていき、どこに生えていそうなのか目星がつくようになってくる。少なくともこういったやり方は我々初心者の段階では間違いないと感じた。
しかしキノコ狩りというものは熟練者と初心者との間で明らかに差が分かれる。おそらくプロフェッショナルにはプロフェッショナルなりに経験と知識に裏付けされたコツを持っているのだろう。
我々初心者は毒キノコかそうでないものかを判別する知識も経験もない。
鑑定はプロに任す以上、手あたり次第にキノコを狩るのみ。
とまあ、こんな具合に木の陰にひっそりとキノコは息をしているものである。
我ながらなんとも秋を感じさせてくれるいい写真を撮ったものだと感心する。
一見色もよさそうでソテーにしたら美味そうだと思ってしまうビジュアルをしているが、このキノコは鑑定の際に弾かれました。毒キノコでした。悲しい。
ここが我々の戦場。
茂みをかき分け、キノコを求めさ迷い歩く。
夏の忘れ物もあり。
2時間ほど探して回り、採れたキノコは種類を問わずこれくらい。
プロフェッショナルの方に教えていただいたのだが、食用に適さないキノコというのは明らかに変な異臭を発している場合が多いのだという。この中にも魚の腐ったようなにおいを発するものもあり、言うまでもなく鑑定でははじかれた。
こちらは同行者の採ったアミタケの一種。文字通り、かさの裏が網状になっていることが名前の由来だ。こちらはその網状の部分こそ消化が悪く食用に適さないが、そこさえ取ってしまえば何ら食べるには問題はないという。
というわけで下処理を行います。
結構簡単に剥けていた。
ショウゲンジダケ。今回最も多く採れた食用キノコ。
様々な調理法に向く、万能キノコ。
ここに写っているもの、八割以上が食用に適さない。
持って帰ることができたのはショウゲンジダケと前述のアミタケ、そして写真を撮り忘れたクリフウセンダケとカノシタ、そしてムラサキアブラシメジモドキだ。最後のやつはなかなかに強烈な名前だ。一回聞いただけで名前もすんなり覚えてしまった。
写真が見たい人はググってくれ。
そんなわけで持ち帰ったキノコを、
ベーコンと一緒にソテーにしていただく。
ワイルドさあふれる味が特徴だ。もちろん自然のものなのでキノコの中にマイクロ級のよくわからん森のお友達が巣を作ってたりもするが、まあそこはご愛嬌。
一緒に油で炒めて、跡形もなく滅して我々の血肉の一部として迎え入れてやろうではないか。
前の方に映っている青紫っぽいのがムラサキアブラシメジモドキだ。写真あったな。